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2026-05-16 追記: 初出から数年経過した記事です。骨子は今も参考になりますが、ツールの UI やバージョンは執筆当時のままで、最新版とは差異があります。
デザイン思考とは?
仕事で「デザイン思考」を使う場面が増えたので、自分なりの解釈も交えて整理しておきます。
デザイン思考はもともとデザイナーが創造の場面で使っていた考え方を、他分野の問題解決にも応用しようとしたアプローチです。
理論や数字を重視し「問題を解決する考え方」をする論理的思考に対し、
デザイン思考は共感や感情を起点に「真の問題を探索する考え方」と整理できます。
よく引かれる例が、自動車を世に出したフォードの逸話です。「速い馬が欲しい」というユーザーの要求を、馬という具体物ではなく「移動したい」という抽象的な欲求として読み替え、車という解を選んだとされています。
このように、提示された問題そのものを疑い、その奥にある真の問題を取りに行くのがデザイン思考の特徴です。
デザイン思考のプロセス
この考え方では、問題解決を「発散」と「収束」のパターンで進めます。これをダブルダイヤモンドモデルと呼びます。
プロセスは大きく四つの段階に分かれます。
- 正しい問題を見つけるための発散と収束 — 「探索」と「定義」
- 正しい解決策を見つけるための発散と収束 — 「展開」と「提供」
この 4 段階を素早く回しながら、製品の精度を上げていきます。
正しい問題を見つける発散
探索
探索フェーズはデザイン思考の核「真の問題を探索する考え方」を最も意識する場面です。
実際に使用するユーザーを観察したり、インタビューしたりして「ニーズを探索する」のがここでの仕事です。
- なぜその操作(行動)を行ったのか
- サービスを触る前後の心理状態(感情)はどうだったか
- など
こうした問いかけで問題を発散させます。
当たり前で言わなくてよさそうなことから、奇抜で突飛なことまで、薄く広く出していきます。
定義
探索で仮説が出そろったら、今度は問題を絞り込みます。
- ユーザーが最も強く感じている問題はどれか
- 根本的な原因・要因はどう抽象化できるか
ユーザー視点だけでなく、マーケティングや営業の視点も入れて、多面的に収束させます。
正しい解決策を見つける発散
ここから先は、ふだんの論理的思考に近い領域です。
アイデア出しでは、次の点に気をつけています。
- アイデアは多ければ多いほどよい
- 当たり前のことほど質問する
- 早すぎる決定(固執)は危険
- アイデアを否定しない
デザイン思考のデメリット
時間とコストがかかる
プロセスの特性上、どうしても時間とコストがかかります。
ビジネスとしての製品開発には締切がある以上、あらかじめタイムリミットを切ったうえで回すのが現実的です。
実践のハードルが高い
ユーザー視点と共感が肝心で、これは一朝一夕には身につきません。観察とインタビューを地道に重ねる訓練が要ります。
そのうえでアイデアを広げる発想力も求められるので、初学者がいきなりフルに回すのは難しい部類です。
ちょっとした改善には不向き
真の問題から探り直すデザイン思考は、新しいソリューションを生み出すのは得意な反面、既存機能の細かい改善にはコスト過剰になりがちです。改善寄りのタスクなら、論理的思考で淡々と詰めるほうが速い場面も多いと思います。
実際に用いるためには
ユーザー視点・共感・アイデア創出のいずれも訓練が要るため、明日からフルセットで回すのは現実的ではありません。
そこで、エッセンスだけ抜き出して普段の働き方に少しずつ混ぜる方法を考えました。
結局この考え方が言いたいこと
核は「真の問題を探索する」こと、言い換えると 提示された問題から一歩引いて考えてみる ことだと受け取っています。
ユーザー視点が最も効きますが、そこに囚われず、対象の背景を想像するだけでも別の角度が見えてきます。デザイン思考はそういう「視点をずらす道具」として捉えると、肩肘張らずに使えると思います。
ユーザー視点を鍛える
ユーザー視点を鍛えるには、自分がふだん使っている類似商品を実際に触ってみるのが手早い方法です。
使い慣れた製品との違いに気づき、比較できるようになる。それがユーザー視点の第一歩になります。
ミクロデザイン思考
デザイン思考を看板に掲げて推進しなくても、考え方の一部分だけを日常の業務に差し込むことはできます。
たとえばミーティングのある議題について、そもそもこの議題設定は正しいのか、視点が局所的になっていないか、と疑ってみる。小さい単位で練習を重ねると、議論の解像度も少しずつ変わってくるはずです。